グローバルな組織コンサルティングファームのコーン・フェリー(NYSE:KFY|コーン・フェリー・ジャパン 東京都千代田区 日本代表:滝波純一)は、調査レポート「現状のインフレと労働市場が報酬政策に与える影響」を発表しました。

 

調査レポートのサマリー

  • 米国のインフレ率は5%と過去40年間で最も高い水準にあるが、その要因には以下のようなものがある。
    • 人件費の高騰、特に低賃金労働に対する人件費
    • ロシアのウクライナ侵攻による原油価格高騰
    • サプライチェーン圧迫による価格上昇に加え、直近までの歴史的低金利により、消費者は徐々に支出を増加
    • 2020年以降の歴史的な住宅在庫の減少による、住宅購入価格と賃貸料の押し上げ
  • 組織が現在のインフレ環境に対応するために報酬を調整する必要に迫られた場合、従業員に対して固定的に支払われる基本給の恒久的な上昇ではなく、変動報酬プログラム(臨時の事象に対する1回限りの報酬)の一部として考慮されるべきである。ただ、これまではこのような対応は限定的だった。
  • 世界のほとんどの組織で、2022年の昇給予算総額の中央値が、2021年秋に計画していたものよりも上昇していることが報告されている。例えば、米国の基本給の中央値は0%(夏頃)から3.5%(中央値)、4.0%(平均値)へと上昇した。同じ期間に、英国は2.5%から3.0%、オーストラリアは2.4%から3.0%、ブラジルは6.1%から7.4%、トルコは18%から30%へ上昇している。
  • コーン・フェリーの調査では、過去10年とは異なり、ほとんどの組織が今年、大半の従業員に昇給を認めていることが分かっている。具体的には:
    • 80%の組織が75%以上の従業員を昇給
    • 70%の組織が90%以上の従業員を昇給
    • 60%の組織が95%以上の従業員を昇給
    • 45%の組織が 100% の従業員を昇給
  • アンケートの結果、報酬の重点分野については、パンデミック前に比べて以下の手段をさらに活用していると回答している:
    • 通常のボーナス以外の特別なインセンティブ/ボーナス(利用率20%増)
    • サインオンボーナス、リファーラルボーナスの利用拡大(18%増)
    • リテンションボーナス(18%増)
    • ESG、CSRの指標を役員インセンティブプログラムに導入(17%増)
  • 報酬には、組織が従業員に提供する「価値」に相当するものすべてを含む。1年前よりもはるかに多くの企業が下記のような非金銭的報酬に注目している:
    • 調査対象者の40%が従業員のつながりや組織の受容(インクルーシブ)力を高めるために、マネージャーやリーダーを育成する人材開発投資を増やしている
    • 36%が重要な組織改革の優先事項に関して従業員との関わりを深めている
    • 31%が従業員の成長とキャリア開発の機会についてより明確な情報を提供している
    • 30%が従業員の仕事を組織のミッション、ビジョン、バリューと結びつける努力をしている
  • 組織で最も優れた報酬プログラムは、洗練された戦略や設計とは対照的に、最も“効果的に実施”されたプログラムであることが一般的に知られている。ここでいう「効果的な実施」には、経営リーダーの関与と連携、管理職へのサポート、ならびに従業員に対する直接的なわかりやすいコミュニケーションなどが不可欠になる。

 

全文は以下でご覧いただけます。

https://focus.kornferry.com/ja/research-and-resources/impact-of-inflation-on-compensation-jp/

 

日本の報酬調査責任者のコメント

「日本においても、連日の物価上昇に関連する報道を受け、生活者不安は増しており、企業側も適切な対応を模索しています。長く続いたデフレ環境においても2%前後の昇給が続いてきましたが、このインフレ転換局面において更なる基本給の底上げで対応することには、多くの企業が慎重になっています。まずは、必要とされる社員グループに対して臨時の追加原資を振り分けることにより、必要な人員を確保し、社員のエンゲージメントを維持することが求められます。この優先順位づけは、今後必要となる人材像や、市場における競争力、ならびに処遇に対する従業員の満足度など、様々な視点を検討する必要があり、人事部門の総合力が問われています」(コーン・フェリー・ジャパン デジタル部門カントリーリーダー 岡田 靖代)

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